概観(overview)

概要
2023年10月7日、パレスチナのガザ地区を支配するハマース(ハマス)がイスラエル領内に宣戦布告抜きに数千発のロケット弾を撃ち込むとともに、ガザ地区近隣のイスラエル南部各地に戦闘員を侵入させて民間人多数を殺傷・拉致。
この予告なき攻撃に対し、イスラエルはすぐさま反撃、ガザに対する部分封鎖を完全封鎖に切り替え、空爆を開始。
同日、イスラエルのネタニヤフ首相は「戦争状態にある」とする声明を出しました。
背景
1947年の国連によるパレスチナ分割決議により、パレスチナ(地名)はユダヤ人とアラブ人の2国に分けられました。
しかし、イスラエルが国家を建設したのに比べ、パレスチナ人はパレスチナ暫定自治政府(以降パレスチナ)を政府とはしていますが、安定した国境を持つ近代国家とはなっていません。
パレスチナは西岸地区(三重県と同程度)とガザ地区(23区の6割程度)の飛び地となっており、西岸地区は、穏健派のアッバス議長が政治を行っています。
これに対し、ガザ地区を実効支配するのは武装闘争によるイスラム国家樹立を目的として設立した武装組織ハマスで、イスラエルにたびたびテロ攻撃を行っています


事態推移
10月7日、パレスチナのガザ地区を支配するハマースによるイスラエルへの攻撃によって勃発した戦争は、即座にイスラエルによるガザ地区への空爆等の反撃を生み、罪のない多くの人を巻き込んだ戦争へと発展しました。
10月29日には、イスラエル軍がガザへの地上作戦を展開。イスラエルのネタニヤフ首相は戦争が第2段階に入ったと表明し、更なる戦闘激化を国際社会も懸念しています。
国連安全保障理事会において、何度も「戦闘の一時的な停止」などを求める決議案の採決がなされていますが、常任理事国の反対などにより有効な決議がなされず。
11月22日、イスラエルとハマスが50人の人質の解放と引き換えに4日間の停戦に合意し、24日から戦闘は一旦休止されたが、12月1日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとの戦闘を再開したと表明し、再度作戦を開始。(2023年12月6日現在)
影響
日本への影響としては中東リスクが再燃していることにより、原油価格の高止まりによる貿易収支の悪化が懸念されています。
有事のドル等から考えられる、円安の長期化による輸入インフレも懸念されています。

日経平均チャート
経緯
日付 | 内容 |
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2023年10月7日 | パレスチナのガザ地区を支配するハマスがイスラエル領内に数千発のロケット弾を撃ち込むとともに、ガザ地区近隣のイスラエル南部各地に戦闘員を侵入させて民間人多数を殺傷・拉致 |
2023年10月7日 | イスラエルはすぐさま反撃、ガザに対する部分封鎖を完全封鎖に切り替え、空爆を開始 |
2023年10月29日 | イスラエル軍がガザへの地上作戦を展開。イスラエルのネタニヤフ首相は戦争が第2段階に入ったと表明。 |
2023年11月22日 | イスラエルとハマスが50人の人質の解放と引き換えに4日間の停戦に合意したと発表される。 |
2023年11月24日 | イスラエルとハマスが、午前7時(現地時間)からガザでの4日間の戦闘休止に入った。 |
2023年12月1日 | イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとの戦闘を再開したと表明。 |