2020年3月のコロナショック急落から始まった「コロナ流動性相場」。 超金融緩和と財政支出により、実体経済の停滞と裏腹に金融市場の流動性が急拡大し、 日本株は急回復から上昇・調整・再回復へと局面を変えながら推移しました。
市場サイクル:コロナ流動性相場
本サイクルは「ショック→流動性供給→資産価格回復→金融引締めへの転換」という、 世界共通のマクロ構造を強く持っています。 日本株でも、海外市場のリスクオン・リスクオフの波を受けつつ、 金利・為替・政策期待の変化が、相場の主導テーマを入れ替えました。
フェーズ構造
① 2020/03/20 – 2021/09/14コロナバブル上昇(流動性相場の典型)
- 世界的な金融緩和・財政支出でリスク資産が急回復
- ショック後の反発に加え、「流動性プレミアム」で上昇が加速
- 米国株の上昇と連動しやすく、成長株・テーマ株も活況
相場史的には「崩壊後の急回復」ではなく、 “政策による下支えが価格形成を主導する”流動性相場の典型フェーズです。 実体経済の回復以上に、金融条件の緩和が価格を押し上げます。
② 2021/09/15 – 2022/10/03金融引締崩壊(インフレ→引締めへの転換)
- インフレ顕在化により、各国で金融政策が引締め方向へ
- 金利上昇・バリュエーション調整で世界的に株価が下落
- 「流動性相場」の前提が崩れ、リスクオフが継続
“上昇サイクルの途中で前提条件が反転する”局面です。 流動性が減速すると、相場の説明変数は 「資金供給」から「金利・インフレ・景気後退懸念」へ切り替わります。 ここが本サイクルの最重要な転換点です。
③ 2022/10/04 – 2023/06/19回復初期(底打ち→再評価の入口)
- 調整の行き過ぎ修正から持ち直しが進行
- 景気後退懸念は残るが、下値の堅さが意識される
- 日本では為替・企業業績・需給の要因が徐々に支えに
相場史では「崩壊後の回復初期」。 トレンド転換の入口であり、上昇の持続性はまだ不確実ですが、 “最悪期が過ぎた”という共通認識が形成されると、 次の上昇サイクルへ接続しやすくなります。
Market History DB での位置づけ
MHDE上では、本サイクルは「世界同時ショック」と「流動性供給」による急回復、 そして「インフレ→金融引締め転換」による崩壊までを含む、 近年でも非常に構造が明確なサイクルとして扱います。
特に②の“前提条件の反転(金融緩和→引締め)”は、 相場が同じ価格水準でも“別の構造”に切り替わる典型例であり、 現在局面の比較(レジーム判定)でも重要な参照点になります。
出典
- 各国中央銀行の政策転換(金融緩和→利上げ局面)
- コロナ禍の財政政策・市場安定化策の概要
- インフレ率・政策金利の推移(主要国)
