1973年末から始まる第一次石油危機(オイルショック)を起点に、 日本株は急落・混乱を経て、回復と停滞を繰り返しながら次の構造転換へ向かったサイクルです。 インフレ、景気後退、政策対応、企業収益構造の変化が同時進行し、 「ショック→反発→長い停滞→緩やかな上昇」という段階的な局面推移が特徴です。
市場サイクル:第一次石油危機相場
本サイクルは、外生ショック(資源価格の急騰)によって それまでの成長モデルが揺さぶられた局面です。 相場はまず急落で「過去の期待」をリセットし、 その後は政策対応や需給適応を織り込みながら、 “回復できる部分”と“構造的に難しい部分”を見極めるように推移していきます。
フェーズ構造
① 1973/12/29 – 1974/10/09オイルショック崩壊
- 原油価格急騰を起点としたコストプッシュ型インフレ
- 景気後退懸念が急拡大し、株価は急落局面へ
- リスクオフが連鎖し、ボラティリティが急上昇
サイクルの“破壊フェーズ”。 それまでの上昇を支えた期待が一気に剥落し、 流動性・信用・先行き見通しが同時に悪化しやすい局面です。
② 1974/10/10 – 1976/04/30反発期
- 急落後の自律反発(バリュエーションの正常化)
- 政策対応(金融・財政)への期待が戻りやすい
- ただし景気は脆弱で、「戻り相場」になりやすい
大きく下げた後の“初期回復”。 相場は先行して戻る一方で、実体経済の回復は遅れがちであり、 上昇の持続性はまだ不安定になりやすい局面です。
③ 1976/05/01 – 1977/12/27停滞期
- 景気は回復しても勢いが弱く、相場はレンジ化しやすい
- インフレと成長の綱引きで、評価軸が定まりにくい
- 投資家心理が「強気にも弱気にも傾きにくい」状態へ
本サイクルの“中だるみ”に当たる局面。 急落・反発を経た後、次の明確なドライバーが見えにくく、 市場は方向感を失いやすくなります。
④ 1977/12/28 – 1979/10/01緩やかな上昇
- 需給・収益の適応が進み、相場が安定化しやすい
- 「急騰」ではなく、じわじわと戻る上昇になりやすい
- 次の外生ショック(第二次石油危機)に向けた“助走”局面
ショック後の適応が進んだ“安定回復フェーズ”。 ただし上昇が穏やかなのは、 成長期待そのものが以前より低下し、評価が慎重になっているためです。 この落ち着きが、次サイクルで再び揺さぶられる準備段階にもなります。
Market History DB での位置づけ
本サイクルは、MHDE上では 「外生ショックによる急落 → 自律反発 → 長い停滞(レンジ) → 緩慢な回復」 という“ショック適応型サイクル”として整理されます。
相場史的には、ショック直後の急落よりも、 その後の停滞期に「どの構造が変わったのか」を見極めることが重要で、 次の局面(構造転換相場)への移行点を理解するための橋渡しとなるサイクルです。
出典
- 経済史・エネルギー史:第一次石油危機(1973–74)に関する解説
- 内閣府・日銀:インフレと景気循環、政策対応に関する資料
- 一般向け経済年表(オイルショック、景気後退局面)

