2003年春から2009年春にかけての日本株は、 世界的な流動性拡大と資源・新興国ブーム(いわゆるグローバル・リフレーション)の波に乗って上昇し、 その終盤で信用収縮が連鎖して「リーマン崩壊」というシステミック危機へ至ったサイクルです。
市場サイクル:グローバルバブル相場
本サイクルの核は「グローバルな流動性」と「信用の拡張」です。 世界の成長期待(特に新興国)と資源高、リスク資産への資金流入が続き、 日本株も外需・景気敏感株を中心に構造的に押し上げられました。 しかし、信用がピークアウトすると、崩壊は急速かつ広範囲に波及します。
フェーズ構造
① 2003/04/29 – 2006/04/07小泉改革上昇(回復と再評価の開始)
- 景気回復と企業収益の改善で上昇トレンドが形成
- 構造改革期待・金融システム安定化が追い風
- 外需(世界景気)と国内需給の改善が同時進行
相場史的には「長期低迷の終わり → 再評価の開始」にあたる局面。 バリュエーションの見直しが入りやすく、 上昇が“じわじわ”長く続きやすい構造です。
② 2006/04/08 – 2007/07/09バブル形成(信用拡張と過熱)
- 世界的なリスク選好が強まり、資金がリスク資産へ流入
- 資源・新興国テーマの拡大で景気敏感株が優位
- 「上がるから買う」需給が強まり、過熱しやすい
この局面は、ファンダメンタルの改善に加え、 信用・レバレッジの拡大が上昇を加速させるフェーズです。 価格の上昇がリスク認識を鈍らせ、 市場の脆弱性が水面下で蓄積されやすくなります。
③ 2007/07/10 – 2009/03/10リーマン崩壊(信用収縮による急落)
- 信用不安が顕在化し、リスク資産から資金が一斉退避
- 流動性が細り、下落が加速(ボラ急拡大)
- 外需依存度の高い市場ほど打撃が大きくなりやすい
バブル崩壊の本質は「成長の失速」ではなく「信用の収縮」です。 信用が崩れると、市場は短期間で価格を“再設定”しに行きます。 結果として、下落は速く深く、相関が一気に上がりやすい。 まさに“システミック”な局面です。
Market History DB での位置づけ
MHDE上では、本サイクルは 「グローバル流動性によるリスク選好 → 信用収縮による崩壊」 という、典型的な“流動性相場の完成形”として分類されます。
特に②のバブル形成フェーズは、上昇の説明変数が 企業業績だけでなく、信用・需給・リスク許容度へシフトしていく点が特徴です。 ③の崩壊フェーズは、相関上昇・流動性低下・ボラ拡大が同時に発生し、 価格発見が不連続になる局面として重要な比較対象になります。
出典
- 世界的な流動性拡大(2003–2007)と資産価格上昇に関する解説
- サブプライム問題〜リーマン危機(2007–2009)の経緯年表
- 日本株の外需・景気敏感株比率と景気循環の資料

