1965年の不況局面を底に、日本経済は金融緩和・設備投資・輸出拡大を背景に力強い上昇サイクルへ移行。 「いざなぎ景気」に象徴される長期拡大と、1971年のニクソンショック後の相場再加速、 そして1973年の列島改造バブルを経て、第一次石油危機へつながる“黄金期サイクル”です。
市場サイクル:高度成長黄金期相場
本サイクルは、景気循環の拡大局面が長期化した「いざなぎ景気」を中心に、 金融環境・企業収益・期待形成が揃って上昇トレンドが持続した局面です。 後半はニクソンショック(1971)による制度転換が起点となり、資産価格への“期待の上乗せ”が強まり、 1973年の列島改造バブル的局面へつながっていきます。
フェーズ構造
① 1965/07/10 – 1968/01/05金融緩和上昇期
- 景気底打ち局面からの回復局面(金融・需給の改善)
- 先行き期待の改善により、株価が景気に先行して上昇しやすい局面
- 「下げ止まり → トレンド転換」の初動フェーズ
サイクルの“発火点”に当たる局面。 需給改善と金融緩和が噛み合い、相場の下値不安が薄れたことで、 上昇の持続性が生まれます。
② 1968/01/06 – 1970/04/30いざなぎ景気上昇
- 景気拡大が長期化し、業績と株価が同時に伸びやすい局面
- 指数主導で上昇しやすく、押し目が浅くなりがち
- 投資家心理が「強気の常態」になりやすい
本サイクルの“中核上昇フェーズ”。 企業収益・設備投資・輸出が好循環となり、 トレンドの強さが最も表れやすい局面です。
③ 1970/05/01 – 1971/08/15ニクソンショック前調整
- 上昇の成熟化に伴う過熱感の調整
- 上値の重さが出やすく、レンジ化・調整局面になりやすい
- 「強い相場の中の調整」か「転換点」かの見極めが必要
上昇トレンドが続く一方で、局面は“息切れ”しやすい段階。 このフェーズの特徴は、調整が入っても基調が崩れ切らず、 次の材料で再加速しやすいことです。
④ 1971/08/16 – 1972/12/26金本位制崩壊後上昇
- 制度転換を契機に、相場の評価軸が変化(期待の再構築)
- 政策・為替・金融の変化が“新しい上昇理由”になりやすい
- 前フェーズの調整が“踏み台”となり、再上昇しやすい
ニクソンショック後の“再評価局面”。 相場はショックを消化した後、 新しい環境(制度・政策・期待)に適応しながら再び上昇へ向かいます。
⑤ 1972/12/27 – 1973/12/28列島改造バブル
- 期待と物色が急拡大し、相場の加速感が強まる局面
- テーマ株・資源/インフラ連想など、政策連動の過熱が起きやすい
- ボラティリティが上がり、天井形成の兆候(急騰・急落)が出やすい
サイクル終盤の“加速フェーズ”。 上昇の理由が「業績」から「期待・テーマ」へ比重移動しやすく、 トレンドは強い一方で、次サイクル(第一次石油危機)へ繋がる不安定さも内包します。
Market History DB での位置づけ
本サイクルは、MHDE(Market History Database Engine)上では 「長期拡大 → 成熟調整 → 制度転換後の再上昇 → 終盤加速(バブル的局面)」という 典型的な“黄金期型サイクル”として分類されます。
同様の構造は、他国市場でも 「拡大局面が長期化した後に、制度・政策の変化を契機に“第二波”が起き、 終盤に過熱が出る」という形で現れやすいのが特徴です。
出典
- 内閣府:日本経済の長期統計・景気拡張(いざなぎ景気)に関する資料
- 日本銀行:戦後日本の金融・景気循環に関する解説資料
- 一般向け経済史解説(ニクソンショック、列島改造)

