神武景気の終焉から始まる、日本経済の“本格的な高度成長”への助走局面。 景気循環の波を伴いながらも、設備投資・輸出・技術革新が加速し、 日本は持続的成長経済へと移行していきました。
市場サイクル:高度成長初期相場
本サイクルは、戦後復興から高度成長体制への移行期にあたります。 神武景気の反動不況を経て、岩戸景気、オリンピック景気と続く拡大局面が形成され、 日本経済は「循環型の拡大」から「構造的成長」へと変貌しました。
フェーズ構造
① 1957/07/10 – 1958/06/17神武景気崩壊
- 神武景気の過熱反動による景気後退
- 在庫調整と金融引締めの影響
- 急速な調整局面で投資家心理が冷却
高度成長前夜の“試練”とも言える局面。 強い上昇相場の後は、過剰設備・過剰在庫の整理が不可避であり、 この調整が次の成長の土台を整えました。
② 1958/06/18 – 1961/07/14岩戸景気上昇
- 輸出拡大と設備投資増加が牽引
- 重化学工業化が本格化
- 企業収益の持続的改善
岩戸景気は「高度成長の本格始動」と評価されます。 相場は循環的回復ではなく、構造的成長への期待を織り込み始めました。
③ 1961/07/15 – 1962/10/01岩戸景気調整
- 過熱修正と金融引締め
- 輸出鈍化による利益調整
- 指数の大幅調整局面
高成長経済であっても、循環は消えません。 この局面は“高度成長=常に上昇”ではないことを示した重要な調整期です。
④ 1962/10/02 – 1964/10/01オリンピック景気上昇
- 東京五輪に向けたインフラ投資拡大
- 高速道路・新幹線など大型公共投資
- 内需主導型の拡大
オリンピック景気は“国家イベント型上昇”の典型例。 インフラ投資と都市再開発が株式市場を強く押し上げました。
⑤ 1964/10/02 – 1965/07/09オリンピック後不況
- イベント終了後の需要減退
- 設備投資の過剰調整
- 景気後退による相場下落
イベント主導型景気の“反動”が顕在化。 しかしこの不況は長期的成長トレンドを壊すものではなく、 次の黄金期相場へつながる準備局面でした。
Market History DB での位置づけ
本サイクルは「成長初期の循環型拡大構造」として分類されます。 ブームと調整を繰り返しながら、経済の基礎体力が底上げされていく過程です。
高度成長初期相場は、 “国家イベント・設備投資・輸出拡大”という複数の成長エンジンが交互に作用した、 典型的な多層型サイクルでした。

