1979年の第二次オイルショックを起点に、日本株は再び大きく崩れた後、 世界同時不況を挟みつつ、1980年代前半の長期上昇局面へ移行していきます。 インフレ高止まりからの沈静化、金利環境の変化、米国主導の景気循環(レーガン期)、 そして日本企業の収益構造の転換が重なり、 「ショック→回復→不況→長期上昇」という“新しい均衡”に向かうサイクルです。
市場サイクル:構造転換相場
本サイクルは、外生ショックへの対応を超えて、 “経済と市場のルールが変わっていく”過程が相場に刻まれた局面です。 特に、インフレと金利の扱い、景気循環の速度、主導産業の変化などが 徐々に市場の前提を塗り替えていきます。
フェーズ構造
① 1979/10/02 – 1980/04/01第二次オイルショック崩壊
- 原油価格の再上昇でインフレ懸念が再燃
- 企業収益・景況感が悪化し、株価は急落局面に
- 政策・金利環境の不確実性が高まりやすい
“ショックの再来”による急落フェーズ。 第一次危機から完全に回復し切らない中での再ショックは、 市場参加者のリスク許容度を急速に縮小させやすい局面です。
② 1980/04/02 – 1981/08/17回復初期
- 急落後の自律反発と、政策対応への期待
- 景気の底入れ感が出ると、株価は先行して戻りやすい
- ただしファンダメンタルの回復はまだ弱く、上値は重いことも
“戻り”が出る一方で、構造変化の途上にあるため、 上昇がトレンド化するかどうかはまだ読みにくい段階です。 この時期は、相場が「悲観の修正」によって動きやすい局面でもあります。
③ 1981/08/18 – 1982/10/01世界同時不況
- 世界景気が減速し、輸出・企業収益の見通しが悪化
- 金融引締めや高金利環境の影響が強く出やすい
- 相場は再びリスクオフに傾きやすい
本サイクルの“再試練”に当たる局面。 ショック後の回復がまだ脆い段階で景気後退が重なると、 市場は「底割れリスク」を意識し、慎重姿勢が強まりやすくなります。
④ 1982/10/02 – 1985/09/22長期上昇(レーガン相場連動)
- 景気循環の改善とともに、株価がトレンド上昇へ
- グローバルな資金・景気の改善が追い風になりやすい
- 「ショック後の適応」から「新しい成長モデル」へ移行
ここからは“構造転換が上昇トレンドとして表面化する”フェーズ。 重要なのは、単なる景気回復ではなく、 インフレと金利の落ち着き、企業の競争力・収益構造の変化が重なり、 相場の前提が変わっていく点です。
Market History DB での位置づけ
本サイクルは、MHDE上では 「ショック急落 → 初期回復 → 不況で再調整 → 長期上昇で新均衡へ」 という“二段階適応+トレンド転換”の構造として整理されます。
相場史的には、 ③世界同時不況を越えて④長期上昇に入った時点で、 市場が「旧来の不安定さ」よりも「新しい成長前提」を優先し始めた、 という見立てができます。 次のバブル形成相場(プラザ合意後)へつながる前史としても重要なサイクルです。
出典
- 経済史・景気循環:第二次石油危機、1981–82年の景気後退に関する解説
- 日銀・内閣府:物価・金利・景気指標の推移に関する資料
- 一般向け経済年表(第二次オイルショック、世界同時不況、回復局面)

